農地

農地(のうち)とは、登記簿(登記事項証明書)上の地目が「田」または「畑」となっている、農作物を栽培するための土地のことです。

価格が安く、日当たりが良い開けた場所が多いため、マイホームの敷地として魅力的に見えることがありますが、購入して家を建てるには不動産取引の中で最も厳しい法律の壁を越える必要があります。

買主(家を建てる人)にとっての最大の壁「農地法」

日本は国の食料自給率を守るため、「農地法」という強力な法律で農地を保護しています。そのため、自分の土地であっても勝手に用途を変えたり、自由に売買したりすることができません。

  1. 農家じゃないと買えない(原則) 農地を「農地のまま」買うことができるのは、一定の基準を満たした「農家(農業従事者)」だけです。一般のサラリーマンが「家庭菜園をしたいから」という理由だけで気軽に農地を買うことはできません(※近年は一部緩和されている自治体もあります)。

  2. 家を建てるには「農地転用(のうちてんよう)」が必要 農地を買ってマイホームを建てる(=農地以外のものにする)場合、農業委員会や都道府県知事から「農地転用の許可」をもらう必要があります。

    • 許可が下りる農地と、絶対に下りない農地がある:市街地に近い農地であれば許可が下りやすいですが、優良な農業エリア(農用地区域内農地など)に指定されている場合は、原則として転用許可が下りず、家を建てることは不可能です。

  3. 手続きに時間と費用がかかる 農地転用の許可申請には、複雑な書類作成や農業委員会での審査が必要なため、行政書士などの専門家に依頼するのが一般的です。許可が下りるまでに数ヶ月〜半年以上の時間がかかり、申請費用も十数万円程度かかります。

  4. 造成費用が高額になりやすい 農地は道路よりも低い位置にあったり、地盤が柔らかかったりすることが多いです。そのため、家を建てる前に土を入れて高さを合わせる(盛土)費用や、地盤改良工事の費用が数百万円単位でかかるケースが少なくありません。

検討する際のポイント

販売図面の地目が「田」や「畑」になっている土地を検討する場合は、価格の安さだけで判断せず、「農地転用の許可が確実に下りるエリアなのか」「造成工事やインフラの引き込みにいくらかかるのか」を、必ず不動産会社やハウスメーカーに確認してもらい、トータルの予算を把握することが非常に重要です。

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